「福」は、あなたの指先から生まれる。内側を満たし、幸せを循環させる手書きの時間

筆文字「福」。廃鶏には黄色く可憐なフクジュソウが咲いている。

柔らかな光が差し込む初春。


幸せは遠くにあるものではなく、今の自分を心地よく満たしたときに、内側からふんわりと溢れ出してくるもの。


今日は「」という一文字を通して、自分を大切に思い、温かな豊かさを巡らせるヒントをお届けします。

目次

「福」という字が教えてくれる、内側が満たされる喜び

酒マスになみなみのお酒。

漢字の「」をじっと眺めていると、そこには「幸せの成り立ち」が隠されています。


この文字は、左側の「示(しめすへん)」と、右側の「畐(ふく)」からできています。

」は、古代の祭祀で供物を載せる「祭壇」の形


これは、福が単なる偶然ではなく、目に見えない大きな存在や、自分を支えてくれる存在への感謝を通じて届けられる「恵み」であることを示しています。

」は、器に満ち溢れる、豊かさのしずく


お酒がたっぷりと詰まった「徳利(とっくり)」や、品物がたくさん入った「」の形を表しています。



白川静先生の文字学によれば、ここには「ふくらみ満ちる」という動的なイメージがあり
ます。



私にとって、ブログを書き終えたあとの達成感や、小筆が思い通りに動いたときの感覚は、まさにこの「畐」そのもの。

自分の内側の器が、心地よいエネルギーでパンパンに満たされていく。その「満ち足りた状態」こそが、本当の福なのだと感じています。

「『』は『』や『』という字とも根底でつながっているそうです。


お腹も心も、心地よさで満たされているとき、私たちは自然と柔らかな笑顔になれるのですね

筆先でつくる、思いやりとゆずり合いの「余白」

筆文字「福」の書き方のヒント。示すへんは、右側をコンパクトに、口と田の縦画はすぼめるように。

中央〈出典:伏見沖敬編『書道字典』角川学芸出版〉

」という字を美しく、そして心地よく書くためには、文字の中にも「循環」が必要です。

私が書いていて見つけた、格調高い「」を宿すコツをお裾分けしますね。


「しめすへん」が作る、おもてなしのスペース

しめすへん」の右側は、短く揃えます。

そうすると、お隣にくる「畐」という文字が、安心してゆったりと入るためのスペースが生まれます。


文字の世界も、私たちの暮らしと同じ。


自分が少しだけスペースを譲ってあげることで、全体が調和し、どっしりとした安定感が生まれます。

②最後の「田」を大きくどっしりと

口」「田」は、縦画を内側にすぼめるように書くと、引き締まります。


最後の「田」を一番大きく書いて、安定感を出します。

笑う門には、あなたの経験がヒントとして降り注ぐ

笑顔いっぱいに、覗き込んでいる子供たち。

私がブログを書くようになって、一番うれしいと感じること。

それは、自分の言葉や経験が、どこかで誰かの小さなヒントになっているかもしれない、と感じられることです。

笑門来福(しょうもんらいふく)の新しいカタチ


笑う門には福来る」という言葉がありますが、これは「先に笑うことで、幸せな状況を自ら創り出す」という前向きな予祝(よしゅく)の精神です。



わたしの経験や、筆文字を通じて感じた気づきを「お裾分け」すること。 そのプロセスで私が笑顔になれば、そこにはまた新しい福が舞い込んできます。

完璧にできなくても大丈夫


そんなふうに自分を肯定して、ふっと肩の力を抜いたときにこぼれる笑顔こそが、一番強い福を呼び寄せてくれるはずです。


日常を彩る福のサイン
  • 福寿草(フクジュソウ)

    雪を割って咲く黄金色の花は「幸せを招く」象徴です。


  • 南天(ナンテン)

    「難を転じて福となす」という言葉遊びのように、どんな不調も「お休みしていいよ」という優しいメッセージに変えていきましょう。


結び:ここだけは持ち帰って!

筆文字「福」のポストカード作品。
心地よい「福」を育むヒント
  • 内側の器を、まず満たす

    「心地よい」と感じる達成感を大切にする。自分の器が満たされることが、すべての福の始まりです。



  • ゆずり合いの「余白」を贈る

    筆文字の「しめすへん」のように、心にゆとりを持ってスペースを空けておくと、そこには新しい幸せがゆったりと収まります。

なぞり書きシートを制作中です

現在、この「」という文字をゆっくりとなぞり、自分自身の内側を光で満たしていくための「なぞり書きシート」を、心を込めて制作しております。

完成しましたら、またこちらでお披露目しますね。

墨の香りに包まれて、あなたの中の「」がふっくらと膨らむ時間を、楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。

わたぼうし
筆耕士
「ゆるく、楽しく、頑張らない」がモットー。自身の経験から、正しさよりも「心地よさ」の中で生まれる生きた文字を大切にしています。 さとう式リンパケアで身体を整えつつ、小筆や筆ペン作品を制作。小筆や筆ペンで綴る作品などはminneのショップで販売中です。
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