気力がなくて、体がおもくて、

今日はもういいや
ってなる日、ありますよね。
そんなとき、心を一瞬で軽くしてくれた言葉がありました。
「ぼちぼち、でええんよ。」
今日は、そのひと言を、いっしょに書いてみませんか。
「ぼちぼち」って、どこから来た言葉?


「ぼちぼち」の語源を辿ると、「ぼつぼつ」という言葉にたどり着きます。
小さな点(ぼち)が、ひとつ、またひとつと、間をあけながら現れる様子。
一気に全部が埋まるのではなく、点と点のあいだに「間(ま)」がある。
その「間」こそが、「ぼちぼち」の本質なんだそうです。
焦らなくていい。
次の点が来るまで、ちょっと待っていていい。
そういうゆたかな余白が、この言葉のなかに最初からあったんですね。
大阪のおじさんの、賢い答え方


「ぼちぼち」といえば、有名な関西の挨拶ですよね。
「もうかりまっか?」
「ぼちぼちでんな」
大阪の商人たちは、「儲かっている」とも「儲かっていない」とも言わなかった。
儲かっていると言えば妬まれる、儲かっていないと言えば信用を失う。
そのどちらでもない、ちょうどいい真ん中を「ぼちぼち」という一言で表したのです。
これって、実はとても賢い知恵だなあと思います。
調子どう?と聞かれたとき。
完璧じゃなくても、最悪でもない。
「ぼちぼちですよ」と言えたら、それで十分。
ぼちぼちは、心を守る魔法のバランスワードですね。
カバさんの、あの言葉


「ぼちぼち」という言葉を、日本中の子どもたちに届けた絵本があります。
『ぼちぼちいこか』(マイク・セイラー作/今江祥智・訳)。
消防士になろうとしたカバ、バレリーナになろうとしたカバ、何をやってもうまくいかない。
でも、そのたびに絶望するわけじゃなくて、ちょっと考えて、こうつぶやくんです。
「ぼちぼちいこか」
失敗を笑い飛ばして、でもあきらめるわけでもなくて、自分のペースで次へ進む。
訳者の今江祥智さんは、原作の「NO」というひと言を、このあたたかい関西弁に「重訳」したのだそうです。
「あかんかってもええやん、ぼちぼちいこか」って。何度読んでも、胸がじんわりします。
気力が落ちた日に、思い出してほしいこと


気力がわかない日、体がついてこない日。
そういうとき、「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが、じわじわと自分を追い詰めることがあります。
わたし自身も、そういう日に「ぼちぼち」という言葉に助けてもらうことがあります。
完全にやめるわけじゃない。
でも、全力でやるわけでもない。
ぼちぼちで、いい。
竹は、周りの木が春に芽吹くころ、のんびりと葉を更新させます。
カバは、水のなかでゆったりしているように見えて、それが過酷な環境を生き抜くための「合理的な選択」なのだそうです。
急がないことは、さぼっているんじゃない。
自分のペースを守ることは、続けるための知恵なんだと思います。
筆文字で書く「ぼちぼち」のコツ


さて、ゆっくり書いてみましょう。
書いているだけで心がやわらかくなる言葉です。
書き始めは、そっと置くように
書き始めをそっと、やさしく紙に置くように入ります。
鋭く打ち込みすぎると、言葉の持つおだやかな雰囲気が変わってしまうので、力を抜いてふんわりと。
濁点(゛)は、弾むように軽やかに
濁点は、重くなりすぎると「ぼちぼち」がどんよりして見えてしまいます。
軽やかに弾むように打つのがポイント。関西弁特有の、あのやわらかいリズムが生まれます。
文字と文字のあいだに、ゆとりを
文字同士は詰めすぎずゆったりと。
目に見えない糸が前の文字から次の文字へとふわっとつながっているようなイメージで書くと、言葉がひとつの流れになります。
【力みを感じたら】
一度筆を置いて、ふっと息を吐いてみてください。
それだけで、次の一文字がやわらかくなります。
筆を3本の指でそっとつまみ、手のひらに卵ひとつ分の空間を。
今日の一筆


「ぼちぼち」という4文字をゆっくり書いてみてください。
うまく書けなくてもいい。
途中でやめてもいい。
また明日、ぼちぼち続ければいい。
書き終わったら、自分にひとこと言ってあげてください。
ぼちぼち、でええんよ。
一気に咲かなくていい。
点と点のあいだに、ゆたかな間があっていい。
あなたのペースが、あなたの花を咲かせます。
なぞり書きシートを制作中です
現在、この「ぼちぼち」という言葉を、ゆっくりとなぞりながら心をほどいていただくための「なぞり書きシート」を、心を込めて制作しております。完成しましたら、またこちらでお知らせしますね。
あなたの「ぼちぼち」な時間に、そっと寄り添えるものになりますように。


