花束には、言葉は書かれていません。
それでも、受け取った人は、その花に込められた気持ちを感じ取ることができます。
「ありがとう。」
「おめでとう。」
「これからもよろしくね。」
花束は、ときに言葉の代わりとなって、大切な想いを届けてくれます。
だから私は、花束は小さな手紙なのかもしれないと思っています。
花に託す「ありがとう」
感謝の気持ちを伝えたいとき、花を贈る方も多いのではないでしょうか。
私の作品にも登場するピンクのバラには、一般的に「感謝」や「上品」、「しとやか」といった花言葉があります。
やさしい色合いも相まって、「ありがとう」の気持ちを伝える花として親しまれています。
もちろん、花言葉だけが花の魅力ではありません。
「この花が好きだから。」
「あの人に似合いそうだから。」
そんな理由で選んだ花にも、贈る人のやさしい想いが込められています。
一輪の花にも、伝えられる想いがある

花を贈るというと、華やかな花束を思い浮かべる方もいるかもしれません。
でも、私は一輪の花にも、十分に想いを届ける力があると思っています。
ある日、お店の前を通りかかったとき、ふと目に留まった一輪のバラがありました。
「きれいだな。」
そう思って家へ連れて帰り、小さな花瓶に飾ってみました。
たった一輪なのに、部屋の景色が少し変わって見えて、心までふわりと明るくなったのを覚えています。
花束でなくても、一輪の花でもいい。
その花を選ぶ時間や、暮らしの中に飾るひとときには、小さな幸せが詰まっています。
大切なのは、花の本数ではなく、「この花が好き」「この人に贈りたい」という気持ちなのだと思います。
暮らしの中に、小さな花を
花は、特別な日のためだけのものではありません。
誰かへ「ありがとう」を伝えたい日。
頑張っている人を応援したい日。
そして、ときには自分自身のためにも。
お気に入りの一輪を飾るだけで、いつもの部屋が少し明るく感じられたり、忙しい毎日の中でふっと心が和らいだり。
そんな小さな変化も、花がくれる素敵な贈り物なのかもしれません。
想いを手渡す作品を

だから私は、作品の中に花を描いています。
描きたいのは花そのものではなく、花を通して届けられる「想い」です。
花束でも、一輪の花でも。
そこに込められた気持ちは、きっと相手の心に届くはず。
この読みものを読んでくださった方が、大切な誰かを思い浮かべたり、お花屋さんでお気に入りの一輪を選んでみようと思ったり。
そんな小さなきっかけになれたら、とてもうれしく思います。

